透析患者さんの食事療法
透析食のポイント
腎不全のさらなる悪化を防ぐため、透析患者にも食事療法は大切です。管理栄養士がその専門ですが、看護師も正しい知識を身に付け、患者さんに適切なアドバイスをできるようにしておきましょう。ポイントは次の4つです。
1・たんぱく質の過剰摂取を防ぐ
たんぱく質の代謝により、クレアチニンや尿素窒素などの老廃物が生成されます。腎不全ではこの老廃物のろ過機能が低下しているため、腎臓に負担がかかります。ただし、たんぱく質は体を構成する大事な栄養素。必要な量はしっかりキープしたいので、肉・魚・卵から良質なたんぱく質を摂取することが大切です。
2.エネルギーを充分に摂取
体内でエネルギーが不足すると、それを補うために体内のたんぱく質を分解して、そこから不足した分のエネルギーを補おうとします。その結果、老廃物が生成されてしまい腎臓に負担が。たんぱく質を含まず、エネルギーアップが期待できる砂糖や油脂を上手に取り入れるのがコツです。
3.減塩
食塩にはNaが含まれており、摂取しすぎると体は浸透圧維持のために水分を欲します。腎不全ではNaなど電解質のろ過や、余分な水分を排泄する機能が低下しているため、浮腫を起こしてしまいます。水分摂取に制限があるので、むだに喉が渇かないためにも、減塩は心がけたほうがいいですね。
4.K摂取を抑える
老廃物のろ過機能が低下しているため、血中濃度が高まると高カリウム血症の危険があります。そのため、食品からの摂取を控える必要があります。カリウムは水に溶けやすいため、野菜は必ず一度ゆでるなど調理の工夫が大切です。
「たんぱく質は控えつつ、エネルギーはしっかり」これは、腎不全患者の課題。看護師や管理栄養士のサポートが重要ですね。
管理栄養士と連携を!
食事療法の専門家はやはり管理栄養士。ちょっとした料理の工夫、食事療法のコツなどに詳しいので、連携を取りながら看護師も栄養の知識を得たいものです。
透析食で上手く取り入れたいものとして、特殊治療食品があります。エネルギー摂取は充分にしないといけないものの、ご飯や麺などの炭水化物には意外と多くのたんぱく質が含まれており、取りすぎには注意が必要。調整が難しいときは、低たんぱくご飯や低カリウム食品、高エネルギー食品などを利用しましょう。また、塩分を控えるには適度にスパイスや薬味をきかせてみる、焼色で風味が増すなど、実用的な工夫もありますよ。
私は職場の管理栄養士さんと仲が良くて、色々な情報を教えてもらっています。他職種との連携は自分や患者さんのためにもなるので、積極的にいきたいですね!